釣りと魚料理
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イサキ 刺身と塩麹焼き
d0143592_16452485.jpg
photo:だんな


 だんなが松輪瀬で釣ってきた30cmを超える良型イサキ。プンプンに太ったメタボくんだ。

 良型は全部で4尾。1尾は刺身で、2尾は塩焼き、残る1尾は塩麹焼きに。
 まずは刺身。一緒に釣れたアジと盛り合わせに。相変わらず盛り付けは変だが、味のほうは一級品。脂のノリも上々で、旨味もたっぷり。家庭でこんな刺身が食べられるなんて幸せだ、としみじみ思う。

d0143592_1253887.jpg

 こちらは塩麹焼き。三枚におろしたイサキに自家製塩麹をまぶして1時間ほど置き、魚焼きグリルで焼いたもの。イサキの脂と旨味に麹のコクと塩気が加わり、大層美味。
 イサキはほんとに塩麹がよく合う。また、塩が効きやすい魚なので、長時間漬けなくても大丈夫だが、漬けて数日熟成させたものも、これまたおいしい。

 画像はないが、良型イサキの塩焼き、これはもう言うことなし。イサキは塩焼きの王様だ、と食べる度に思う。

d0143592_9421230.jpg

 こちらは松輪瀬で釣れたあぶってかも。塩麹に数日漬けたものだが、今回も塩の効きはいまひとつ。やはりスズメダイのウロコは塩を通しにくいので、先にさっと塩でしめてから塩麹に漬けたほうが良いのかもしれない。

 しかし、脂ののったあぶってかもはやはり美味。焼くと皮が破れ、白い背身をチラ見せしている。ウロコもパリパリだ。小さい魚なので、おかずにするには1匹ではとても足りないが、酒の肴につまむにはちょうど良いだろう。

オマケ
by abukamo | 2009-07-02 16:01 | 魚料理 | Trackback | Comments(12)
'09 初物あぶってかも
d0143592_440576.jpg
photo:だんな


 先週末、だんながマルイカ仕立てで今年初のスズメダイを釣ってきた。壊れたデジカメも修理完了。これでやっとあぶってかもの記事が書ける。

 釣ったポイントは松輪瀬ではなく、相模湾。残念ながら脂のノリはいまいちだったが、久しぶりのあぶってかもは、やはり旬の味だ。

d0143592_731930.jpg 昨年、実家の母が博多の郷土本を送ってくれた。「博多の絵日記」(文・江頭光、え・西島伊三雄 プランニング秀巧社/刊)というタイトルで、博多の祭や昔の庶民生活、食文化などを綴ったものだ。この中に「アブッテカモ」という項があり、なかなか興味深い話が載っていた。

 「博多の絵日記」によると、あぶってかもは初夏、柿の若葉が美しい頃に出回る(産卵期でいちばんおいしい時期だ)。皿に柿の葉を敷き、その上に焼いたあぶってかもを乗せて食卓に出すのが博多のしきたりであったとか。台所洗剤などがない時代、あぶってかもの脂で皿を汚すまい、という博多のごりょんさん(商家のおかみさん)の知恵だろう、と書いてある。

 また、あぶってかもは漁船が網で獲ったスズメダイを船上でタルに塩漬けにしたもの。塩漬けなので鮮魚店では扱われず、八百屋さんの軒下で売られていたそうだ(現在は市場の鮮魚店などで一盛りいくらで売られている)。

 あぶってかもが博多名物に昇格したのは、昭和35年頃のこと。博多の名士が大阪から来た客人をもてなした際、料亭「やま弥」の女将さんをたきつけて庶民の下魚であるあぶってかもを出したところ、旨いと評判になったのがはじまり。この話はわりと有名で、こちらのサイトにも出ている。

d0143592_865347.jpg さて、今年の初物のあぶってかも。作り方は昨年書いた通り。さっと洗って水気を拭き、ウロコも内臓も取らずに粗塩をまぶすだけ。これを冷蔵庫に入れ、3日置いて塩を洗い流し、一日干してから魚焼きグリルで焼いてみた。柿の葉を敷きたいところだが、あいにく入手できず、熊笹を代用に。
 
 しかし、いくら塩の入りにくい魚とはいえ、脂があまりのってないので、3日はちょっと漬けすぎだった。身のふくよかさはなく、ややしょっぱい。それでも身には旨味があり、パリパリのウロコ、入っていた卵もおいしく食べられた。
 また、干すと小骨が食べやすくなるかも、と昨年書いたのだが、残念ながら一日干しただけではあまり違いはわからなかった。

 ウロコと内臓を取らず、まったく包丁を入れずに塩をまぶして焼くというのは、九州ではわりとポピュラーな食べ方だ。
 関東では敬遠されるベラも、九州では結構人気がある。とくにササノハベラやキュウセンは釣れる場所によってはかなりおいしい。
 塩を多めにまぶして焼き、ウロコと皮を一緒に剥いで身だけを食べる(ウロコが好きな人はそのままウロコも食べる)。包丁を入れていないので蒸し焼き状態となり、ジューシーな身にうっすら移った塩気が旨味を増す。鯛の塩釜と同じ理屈だ。


d0143592_6584035.jpg 左画像は、今回2尾だけ作った塩麹漬け。1尾につき塩麹小さじ2くらいをまぶし、ビニール袋の中で漬けこんで、さっと洗って一日干してから焼いたもの。
 箸でウロコを破ると、ほわんと麹の香りが立つ。ひとくち食べただんなが、「うん、こっちのほうがうまいな」。塩漬けのように身が硬くならず、しょっぱくもない、というかもう少し塩が効いたほうが良いくらい。やはりウロコがあるから塩が効きにくいのかもしれない。

 さて、この週末、松輪瀬にイサキ釣りに行っただんな。良型イサキにアジ、サバなど、それにスズメダイを1尾だけお持ち帰り。これがいかにも松輪の魚で、先週のスズメダイより二まわりほど大きい。さっそく完成した自家製塩麹漬けに。おそらく脂もかなりのっているので、ガス火ではなく炭火でじゅうじゅう焼いたら、さぞかしおいしかろう。


 「博多の絵日記」の巻末には西島伊三雄氏の「博多いろはかるた」が載っており、「け」の札にはこうあった。

 『 けむたかごと焼く あぶってかも 』
by abukamo | 2009-06-22 08:01 | 魚料理 | Trackback | Comments(2)
あぶかも「あぶってかも」を語る その3
d0143592_13562230.jpgあぶかもの鱗の秘密は残念ながらまだ解明できていない。鱗が厚く、鱗と鱗の間、鱗と身の間が狭いのだろうか。詳しい人がいたら、是非聞いてみたいところだ。

左の画像は塩漬けにしたあぶってかもを焼いたもの。鱗の間から黄色い脂が染み出して、その脂で揚げたような感じになっている。黒こげ部分を取り除き、あとは鱗ごといただく。炭火を使う場合は、もっと全体が真っ黒になるくらい焼いて、鱗ごと皮をはいで食べても良い(小料理屋や居酒屋などではたいてい真っ黒状態で出てくる)。また、塩漬けにしたものを一度干してから焼くと、小骨が砕けやすくなるので、そのままかぶりついても良いようだ。あぶってかもの語源とも言われる「炙って噛もう」は塩干バージョンを焼いて骨ごと噛み砕くことを指すらしい。

あぶかもはほとんど博多だけで食べられているようだが、もちろん他の地域(図鑑によれば本州中部以南)でも釣れる。だんなは毎年5~7月、三浦半島の松輪瀬にイサキ釣りに行くが、外道にあぶかもがかかる。スズメダイは美味しいから持ってきて、と頼むと、いぶかしがりながらも二、三匹持って帰ってきた。塩漬けにして焼いて出したら、その美味しさに驚いて、以来ヤミツキに。イサキ釣りに行くと、必ずクーラーにあぶかもが混じるようになった。
ある日、クーラーにあぶかも以外にも小さい魚が沢山混じっていたことがある。驚いて、どうしたの、と聞くと。隣の人の仕掛けにかかったあぶかもがリリースされそうなのを見て、思わず「それ、美味しいですよ」と言ってしまい、「それなら差し上げましょう」。どうやら隣のおじさんに雑魚マニアと勘違いされてしまい、小さい魚が釣れる度にどんどんバケツに入れられて、逃がすのも悪いし、仕方なく持って帰ってきたとのことであった。
by abukamo | 2008-01-10 14:52 | あぶかもについて | Trackback | Comments(2)
あぶかも「あぶってかも」を語る その2
d0143592_15263363.jpgあぶってかもを食べるなら、忘れてはいけないポイントが二つある。一つ目は、時期。あぶかもの産卵期は6~7月の初夏の頃。脂のノリが最高で、身の旨みも強い。他の季節もまずくはないけれど、せっかくならあぶかもの魅力全開な初夏に味わっていただきたい。
二つ目のポイントは、塩でしっかりしめて、水を出すこと。塩漬けにされたあぶかもからは大量の水が出るので、もともと水っぽい魚なのだろう。水を出すことで、小さな魚体に秘められた旨みがギュッと凝縮される。

昔、友人・知人の集まりで佐賀の呼子へ釣りに行ったとき、あぶかもに詳しい人がいた。
我々が隊長と呼んでいたそのおじさんは、蓋つきのバケツと、塩を一袋持参していた。アジに混じって釣れるあぶかもをスカリに活かしておき、帰りしなバケツに放り込んで塩をざざっと大量に振りいれ、混ぜ返す。蓋をしてそのまま持ち帰り、隊長宅の庭で炭火で焼いて食べた。あまりの美味しさに皆驚嘆したものだ。さばく手間もいらず、こんな素敵な料理法があるのかと感心した。

上の画像は、だんなが船イサキで釣ってきた外道のあぶかもを塩漬けにしたもの。塩さばを作るときのように、たっぷりと塩をまぶし、水が溜まったらその都度捨てる。食べるときは、塩をキッチンペーパーなどで拭って焼く。
あぶかもは不思議な魚で、これだけ塩をされても身がしょっぱくなりすぎない。一度試しに小さなイサキを同じように塩漬けにしてみたが、塩の塊を齧ったようにしょっぱくて、食べられたものではなかった。どうやら、あぶかもの鱗にスゴい秘密があるようだ。
by abukamo | 2008-01-08 16:16 | あぶかもについて | Trackback | Comments(2)
あぶかも「あぶってかも」を語る その1
「あぶかも」は我が家の勝手な略称で、ほんとは「あぶってかも」と言う。
その「あぶってかも」も博多の地方名で、正式な名称は「スズメダイ」。磯釣りなどでエサとり魚として忌み嫌われる雑魚中の雑魚、キング・オブ・雑魚である。成魚でも手の平に乗るほど小さく、鱗が硬くて、食用の魚としては確かにぱっとしない。しかし、これがほんとは美味しい魚なのだ。ただ、ちゃんとした食べ方があまり知られていないだけである。

博多にいた頃、中洲の小料理店などで何度かあぶかもを食べた。注文すると、店の人が小さな甕から塩漬けにされたあぶってかもを取り出し、塩をはらって炭火で焼いてくれる。鱗も内臓もついたまま。鱗の間から黄色い脂がジジジと浮き上がってきたら、食べごろである。脂少なめなら鱗をそっとはがして、ホワッと湯気をたてている真っ白な身だけを。脂が十分なら、パリパリの鱗ごと箸にとって口に運ぶ。ほどよく塩が効いた濃厚な旨み。塩でしめてあるから、旨みが凝縮しているのだ。一度食べれば、あぶかもを「雑魚」と斬って捨てることなどできるはずがない。
しかし、いかんせん一匹からとれる身の量が少ないので、ちびちびと骨をとりながら食べることになる。この作業を楽しめる人と嫌いな人で、あぶかもの評価が別れるのは、やむをえないところだ。

・・・ちょっと硬いねぇ、文章が。

と、まぁこんな感じで、あぶかもによる、あぶかも語りは明日も続きます。

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by abukamo | 2008-01-07 19:23 | あぶかもについて | Trackback | Comments(0)