釣りと魚料理
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モダマ三種
モダマ三種_d0143592_13375830.jpg
 ある日、だんなが「ホシザメって食べられるかな」と言う。アマダイ釣りの外道でいつも釣れるらしい。わたしもカサゴかシロギス釣りのときにホシザメを釣ったことがある。引きが強いので何の魚かと期待に胸をふくらませていると、ホシザメのスレがかりでがっかりしたものだ。

モダマ三種_d0143592_1419778.jpg 博多では「モダマ」という名前で湯引きしたサメが売られていた。ナマコ酢と同じく加工されてバットに入れたものが鮮魚店の店先に並んでいるのが常。記憶では皮をつけたまま筒切りにされ、湯引きされてクルッと丸まっていたので、もとの魚の形は想像できない。値段とともに「モダマ」とだけ書いてあるので、その正体を知らない人も多いだろう。肉より魚が断然多かった実家の食卓に上っていた記憶がないので、わたしも食べたことはないはず。

 そんな話をした翌日、まるごとのサメが完璧に血抜きされてクーラーの中に二つ折り状態で我が家にやってきた。体長80cm、尾が長くて食べるところは少ないので、お試しサイズとしてはちょうど良い。
 しかし、サメをさばくのは初めての我が家の包丁人(だんな)、包丁を握ってうーん、と唸っている。さばき方を調べてみよう、とネットで検索したら見つかった。
→私的標本「サメ料理の作り方1 ホシザメの捌き方を考える」
こういうとき、ネットはほんとに便利だ。

モダマ三種_d0143592_14474019.jpg まず、頭を落とし、内蔵を取り出す。ひとつひとつの内臓がきちんとしていて、おなかの中は意外ときれい。さっと洗って水気を切り、まな板に乗せる。わたしの頭には皮つきで骨ごと薄い筒切りにされていた記憶があるが、湯引きしただけで骨まで食べられるだろうか?皮も臭みがあったりするとやっかいだ。というわけで、普通に三枚におろすことに。
 サメの身体にはまっすぐの太い中骨が走っており、アナゴのように中骨に沿って包丁を入れると、カンナで木を削るようなシャーッという小気味良い音がした。太さのわりに少し柔らかい骨なのかもしれない。さらに、血合い骨らしき小骨も見当たらず、やはり普通の魚とは造りが違う。

 三枚におろし、ぶ厚い皮を引くと、意外にも美しい身が現れた。上記の参考サイトに刺身で食べてみてガッカリした様子が綴られているが、そうしたくなる気持ちもわかる。切れっぱしを一口食べただんなは「うーん、後味がアンモニア臭いな」。やはり、湯引きで食べたほうが良さそうだ。
 半身分を1cm弱厚さに切り、塩を軽くふってしばらく置く。これを熱湯にくぐらせて、氷水にとる。モダマの完成だ。ひとつ食べてみると、アンモニア臭はまったくなく、普通の魚の湯引きだ。脂のない魚にありがちな酸味が若干感じられるので、味付けはしっかりしたほうが良さそうだ。酢味噌が一般的だが、梅あんとおろしポン酢も作ってみることにした。

モダマ三種_d0143592_15542168.jpg
 まず、梅あん。大きめの梅干を裏ごしして小鍋に入れて弱火にかける。薄い水溶き片栗粉を加えてよく練り、トロトロの状態に煮詰める。みりん少々を加え、好みの味にする。塩のきいた梅干だったので、赤酒と砂糖もほんの少し加えてみた。梅あんを冷まし、大葉、きゅうりとともに盛り付けたモダマにかける。

モダマ三種_d0143592_16304818.jpg 次に辛子酢味噌。白味噌、米酢を各大さじ3、砂糖大さじ2、練り辛子を小さじ1/2~1(好みで)よく合わせる。塩蔵ワカメをさっと洗い、熱湯にくぐらせて冷水にとり、食べやすい大きさに切る。モダマとワカメ、ジャバラに切ったきゅうりを盛り付けて辛子酢味噌をかける。

 最後におろしポン酢かけ。器に盛りつけたモダマに大根おろし、小口に切ったねぎをのせ、ポン酢をかけるだけ。好みでポン酢にすりゴマを加えても良いだろう。酢橘をちょっと絞り、香りを足す。

 まさに酒の肴という感じの三品が出来上がり。食卓に並べて食べ比べてみる。あっさりしたモダマにどれもそれぞれ合うけれど、だんなは梅あんがお気に入り。わたしはやはり辛子酢味噌がいちばん合うと思った。
 モダマはかなり淡白な味なので、味付けは色々工夫できそう。しかし、モダマにしかない味わいがあるか?といわれると、普通の脂のない魚とあまり変わらないようにも思う。ちゃんと食べられるが、他においしい魚があるのにわざわざ持って帰るかは微妙なところだ。

モダマ三種_d0143592_16422647.jpg わたしの記憶にあるモダマのように皮と骨つきで食べると違うのかもしれないが、実物を確認してから再チャレンジしたほうが良さそうだ。今度里帰りしたら、柳橋連合市場にでも行って確認してこよう。

 さて、残るホシザメの半身は干物にしてみた。すごくおいしいという人もいるみたいなので、ちょっと期待している。今後のサメのお持ち帰りは、干物の出来具合にかかっている。
by abukamo | 2009-01-20 16:49 | 魚料理 | Comments(11)
Commented by mrs-jasmine at 2009-01-20 23:11
こんばんは〜。^^
やっぱり、あぶかもさん尊敬です!!
もう師匠、弟子入りさせてください。^^

わたしこんな魚1匹目の前にしたらうろたえてしまいます。。
そしてこんな美しくさばいてしまうなんて!
もうどこから包丁入れていいのやら…ですよ。^^;
こんなお魚見たことないですもの。。。
お恥ずかしながら、魚の種類は切り身を見てしかわからなかったり…。(笑)
いろんなお料理にできるんですね〜。
見た目はちょっと苦手ですが(笑)
切り身を見ると身もしまっていて、あっさりなのかな??
おいしそうです。^^
どんなお味なのでしょ〜??
Commented by abukamo at 2009-01-21 08:35
ジャスミンさん、どうも!^^ いやいや、サメをさばいたのは
わたしではなくて、だんななんですよ。
わたしもやらないわけではないんですが、だんなの方がかなり上手です。
同じ魚をさばいても、歩留まりが全然違うんですよ。^^;
それと、切り身がきれいなのはしっかり血抜きしてるからだと思います。
これをやらずしておいしい魚は食べられません。

サメは関西では売られてないかな?売ってたとしても、買う人が
あんまりいないかもしれませんね。
サメの全体像を見て、ふつうは食べようとは思わないですよねぇ。
でも、サメの形はかなりかっこ良いですよ。シャープ&スレンダーで。
死んでるのに、今にも泳ぎだしそうでした。
味はかなりあっさり淡白。湯引きしたら食感はほろほろ状態でした。
塩で軽くしめればフライやソテーなどでも食べられるとは思いますが、
あんまり味はしないかもです。^^; 
Commented by 有さん at 2009-01-22 09:03 x
ついにホシザメまで食材にしましたか....。アブってカモ以来の衝撃です。昔はカレイ釣りの外道とかに掛かってきたけど80cm級は釣ったことないですね。サメというとやっぱりアンモニア臭が気になると思うのですが、そこは湯引きで対処という考えがでてくるのが凄いです。あとはサメというとゼラチン質が豊富、煮こごりとかが思い浮かぶのだけど、ウチでは持って帰ったら怒られそうです(爆)。
Commented by abukamo at 2009-01-22 16:24
有さん、どうも! 博多はゲテモノ食いが多い…と思われてしまいそうですが、たしかにちょっと変わったものまで食べますね。
お盆の頃には「たらの胃」といって、タラのエラから胃袋を干したもの(見た目エイリアンです)をもどして煮て食べるという習慣もあります(わたしは食べたことなし)
あと、関東では食べないヒイラギ(トンバと呼びます)もお煮付けで食べますし、色鮮やかなベラも好きな人が多いです。
サメはもとの形のインパクトとはうらはらに、あまり味のない魚ですね。
ゼラチン質は皮の部分でしょうから、やはり皮も食べないと評価できないかもしれませんね。
ちなみにアマダイ釣りの外道としては80cmは小さいほうで、だんなの身長くらいのも釣れるそうです。そういうのは危険なので、ハリスを切って逃がすそうですが。^^;
Commented by 標本 at 2009-01-23 13:07 x
はじめまして。
サメのさばき方でリンクしていただいた私的標本のものです。
料理も写真も釣りも上手で素敵なサイトですね。

次はアカエイにチャレンジするといいと思います。

では。
Commented by abukamo at 2009-01-23 13:56
標本さま、ようこそいらっしゃいませ!コメントありがとうございます。
こちらからリンクの連絡をせねばならなかったのに、大変失礼しました。_o_
ホシザメの裁き方や料理、大変参考になりました。だんなが検索して見つけてきたんですが、貴サイトがもっとも詳しく、わかりやすかったです。
標本さんのオリジナリティと気負わぬチャレンジ精神は見習いたいところです。^^

ホシザメの干物、昨晩食べました。クセもなく、脂もなく…旨みは湯引きよりも出ていたと思います。シイラのようにフライとか油を足す料理法も合いそうですね。

アカエイですね~。博多にいた頃、スーパーでヒレ部分の切り身を買ったことがあります。あまりにもグロテスクなので、レジ打ちのおねえさんやまわりのお客がサーッと引いたのを覚えています。
お煮付けはコラーゲンたっぷりでおいしかったんですが、標本さんのサイトを見たら、料理法がいろいろあるんですね。試してみたいけど、これまた全部食べきれるかな~。その前に釣らなきゃいけませんが…
というわけで、今後ともよろしくお願いします。_o_
Commented by abukamo at 2009-01-23 14:21
標本さまへ(追伸)
記事中の私的標本さまへのリンクの表記をちょっとわかりやすくしました。
アカエイ釣ったらまたリンクさせてくださいね~。^^
Commented by 標本 at 2009-01-23 16:02 x
アカエイはウナギ釣りやってもマゴチ釣りやってもかかってきやがります。

もし釣れちゃったら毒針に刺されないように気を付けてください。

私もアマダイ釣りやるので、今度ねりもの系を真似させていただきます。

では。
Commented by abukamo at 2009-01-23 19:39
もしアカエイが釣れてもホンオフェを作るのはやめておきます。^^;
アマダイ釣りは本命も外道もおいしい魚ばっかりですね。
ねりものはうまくできると、売っているのとはちょっと違うおいしさです。
ふんわりやわらかいすり身ができたら、ぜひ教えてください。
Commented by 五条八島 at 2010-06-17 02:45 x
プロの仕事では・・・・・1センチ厚に切った後 軽く塩をして水分を抜きます。そして1時間程してから塩抜きします。旨みが抜けないように呼び塩がいいですね^^ その後強めに湯引きをすうと・・・・皮の部分のゼラチン質がもっとおいしく味わえて、なおかつ臭みがもっと抜けますよ!
Commented by abukamo at 2010-06-17 09:31
 >五条八島さん

 うわぁ、プロの方からアドバイス!
 ありがとうございます。すごくうれしいです!
 あのモダマはどうやったらできるのだろうと、謎だったのです。
 やはり皮も骨もつけたまま筒切りなのですね。
 今度ホシザメが釣れたら、ぜひやってみます。
 本当にありがとうございます。^^
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